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子ども代表 平和への誓い

人間はだれもが、夢と希望にあふれた、幸せな生活を送ることを願っています。しかし、58年前のあの日、広島に落とされた一発の原子爆弾は、明日へ向かって懸命に生きようとしていた人々の、望みや願いを一瞬にして奪い去り、緑あふれる街並みを消し去り、多くの人々の心に深い悲しみや苦しみを残しました。

 ちちをかえせ ははをかえせ

 としよりをかえせ こどもをかえせ

 わたしをかえせ わたしにつながる 

 にんげんをかえせ

 にんげんの にんげんのよのあるかぎり

 くずれぬへいわを へいわをかえせ

 この峠三吉の詩に込められた、戦争のない、平和な世界は、いつまでも変わらない私たちの願いです。

 世界には今も、大量の核兵器が蓄えられています。「正義」の名のもとに、戦争や紛争がくり返され、私たちと同じような子どもたちが傷ついています。また、私たちの身の回りにも、いじめや暴力の問題があります。

 戦いや争い、そして、いじめや暴力をなくすために必要なのは、「相手を思いやる心」です。性格の違いや考えの違いはあっても、お互いに寛大になり、お互いの理解を深め、お互いのよさを認め合っていく努力こそ、平和への糸口だと思います。「暴力ではなく対話を」、これは、平和のために私たちができることの一つです。世界の友だちのために、ユニセフの募金に協力したり、おじいさんやおばあさんに席をゆずったりすること、これも私たちにできることです。

 こうした「人のために」一人一人ができることを実行する勇気を持つ時、世界中が人々の明るい笑顔でいっぱいになると思います。

 私たちは、核兵器の恐ろしさを世界の人々に訴え続けます。そして、廃墟(はいきょ)の広島を、水と緑と文化の街として復興させた人々の努力を語り継ぎ、「平和の折り鶴」を広島から世界へ力強く羽ばたかせていくことを誓います。

平成15年(2003年)8月6日

こども代表 

広島市立段原小学校6年 片岡 瑞希

広島市立南観音小学校6年 藤井 博之