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平和記念公園のアオギリ
  • 平和公園

被爆アオギリ 2000/9/7



 ■平和記念公園のアオギリ
 原爆資料館東館のすぐ北側に立っている2本のアオギリです。1995年(平成7年)春までは3本あったのですが、l本が枯死寸前の状態になり、いま広島市植物公園で再生手術を受けています。

 3本のアオギリは、爆心地から約1・5km離れた中区東白島町の中国郵政局の中庭に植わっていました。原爆の熱線で、爆心側の幹半分が焼けてえぐれ、枝も焼け焦げました。そばに植わっていたサクラやカイズカイブキは枯れてしまいましたが、3本のアオギリは奇跡的に生命をつなぎ止めたのです。

被爆アオギリの説明板 2000/9/7

 当時、中国郵政局に勤務中に被爆して、左足を失った沼田鈴子さんにとって、よみがえったアオギリは生きる心の支えだったそうです。

 アオギリは1973年(昭和48年)5月、中国郵政局の建て替えに伴って、平和記念公園内の現在の場所に移植されました。移植で枯死するのではないかと心配されましたが、弱った体でその後も生き発売け、毎年、種子をつけています。これらの種子は、沼田さんや「ヒロシマ・ナガサキの修学旅行を手伝う会」の江口保さんらによって、国内外の人たちに贈られ、いま2世が国内や海外で元気に育っています。

被爆アオギリ 2000/9/7

 中国郵政局では、多数の職員が原爆の犠牲になりました。アオギリはその犠牲を語り伝える「生き証人」です。不自由な体で、広島を訪れる修学旅行生たちに被爆の証言活動を続けている沼田さんは必ず生徒たちをこのアオギリの前に案内し、そのことを話して、アオギリを大切にしてくれるように訴えています。枯死寸前の状態にあるアオギリもぜひよみがえって、いつまでも元気で育ってほしいものです。(広島県原爆被害者団体協議会「ヒロシマは語る」から)